B2-12 / CEFR B2 / EPISODE 12

Cultural Orientation

挨拶の言葉を文脈で読む

場面ティナが留学生に「暗黙のルール」を伝えるオリエンテーション。

留学生の前で説明するティナ。
挿し絵を選ぶと、別タブで全体を拡大できます。

STORY 英文と日本語訳

Narratorナレーター

Tina is leading a small-group orientation for international students who just arrived on campus. Her topic: the unspoken rules.

ティナは、着いたばかりの留学生のための少人数オリエンテーションを進行している。テーマは、暗黙のルールだ。

Tinaティナ01

Okay, before we start — anything confusing you so far?

じゃあ、始める前に——ここまでで何か戸惑ってることはある?

Student学生02

Yes. People say "How are you?" and keep walking before I can answer. Is that rude?

はい。こっちの人って「How are you?」って言って、私が答える前に歩いて行っちゃうんです。あれって失礼じゃないんですか?

Tinaティナ03

Not necessarily. If they say it while walking past, it's usually just a greeting, not a request for your whole story.

必ずしも失礼とは限らないわ。すれ違いざまなら、たいていは挨拶で、詳しい近況を全部聞こうとしているわけじゃないの。

Student学生04

So what do I say?

じゃあ、何て答えればいいんですか?

Tinaティナ05

Try "Good, you?" They can say "Good," and you can both keep walking.

「Good, you?(元気、そっちは?)」でいいわ。相手も「Good」って返せるし、二人とも歩き続けられるでしょ。

Student学生06

But what if someone really wants to know?

でも、本当に知りたがってる人だったら?

Tinaティナ07

They may pause to listen or ask, "How's your first week going?" That's a sign you can say more.

足を止めて話を聞いてくれたり、「最初の一週間はどう?」って続けて聞いてきたりするわ。もっと話していい合図ね。

Student学生08

Did you know that when you first came?

ティナさんは、来たばかりの頃からそれを知ってたんですか?

Tinaティナ09

Not at all. I'd say, "Good question! Let me give you the full story. Part one: breakfast."

全然。「いい質問ね!最初から全部話すわね。第一部、朝ごはん」って答えてたの。

Student学生10

To everyone?

全員にですか?

Tinaティナ11

The barista. My professor. One man in an elevator said, "I'll take the stairs." I was only on part two.

バリスタさんにも。教授にも。エレベーターでは、男の人に「階段で行きます」って言われたわ。まだ第二部だったのに。

Student学生12

So how did you finally learn?

じゃあ、どうやって覚えたんですか?

Tinaティナ13

A friend told me. Her exact words: "Tina, 'How are you?' doesn't need a table of contents."

友達が教えてくれたの。そのままの言葉で言うと、「ティナ、『元気?』に目次はいらないよ」。

WORDS & CONTEXT

ことばと背景

“How are you?” / “Good, you?”

アメリカでは How are you? が、本当に体調や近況を尋ねる質問ではなく、「こんにちは」に近い挨拶としてよく使われます。店員、同僚、すれ違った知り合いなどが、歩きながら言うことも珍しくありません。すれ違いざまの挨拶には、Good, you?(元気、そっちは?)や Good, thanks. How are you? のような短い返事が使えます。相手が足を止めて聞こうとしたり、具体的な質問を続けたりするのは、詳しく話してよい合図になります。いつでも短く済ませるという決まりではなく、場面や相手の反応を見ることが大切です。ティナは、この挨拶に「第一部、朝ごはん」から順に一日を報告していたので、友達に「目次はいらない」と言われてしまいました。

“Not necessarily.”

not necessarily は「必ずしもそうとは限らない」という部分否定です。No. と言い切らず、例外もありうることを残して答える、会話では便利な返し方です。ここでは、すれ違いざまの How are you? は失礼か、という質問に対して、「失礼だとは限らない、たいていは挨拶」と答えています。B2-38 の医師の返事にも出てきます。自然な意訳は「必ずしも失礼とは限らないわ」です。

“I'll take the stairs.”

エレベーターに乗り合わせた男性が、ティナの長い「第一部」の話に付き合わされそうになり、「階段で行きます」と言って降りてしまった、という場面です。直接「話が長い」とは言わず、別の行動をとることで距離を取る、穏やかな逃げ方です。How are you? に本気で答え続けたティナは、それに気づかずに話を続けようとしていました。自然な意訳は「階段で行きます」です。